合唱団のレパートリーとしての正教会聖歌

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このサイトでは、合唱団のレパートリーとしての正教会聖歌を紹介しています。

日本の合唱界において、正教会聖歌で一番有名なのは、ラフマニノフの《徹夜祷》ではないかと思います。《晩祷》と言う名称でも知られているこの曲は大変すばらしい作品ですが、15章からなる大曲で、声部の分割も多いため、演奏会で取り上げるには少々勇気が必要な楽曲です。そのため、正教会聖歌は難しくてできない、という印象を持たれている方も少なくないと思います。

でも、西方教会のラテン語の聖歌に長大なミサ曲だけでなく多くの小品があるように、正教会の聖歌にも、小編成でも歌えて楽譜も数ページ程度の、たくさんの魅力的な作品が存在します。これらは、東方正教会の古い聖歌の独特の旋律と、近代の音楽性が融合した、大変魅力的な作品です。それにも関わらず、日本の合唱界であまり歌われていないのを常々残念に思っていたため、このWebサイトでご紹介していこうと考えました。

正教会聖歌で耳にする機会が多いのは、やはりロシア正教聖歌です。特に18世紀にはイタリア音楽の影響を強く受けて、華やかで技巧的な多声音楽が多く生み出されました。時代が進んで19世紀後半になると、今度は土地の伝統に回帰する流れが生まれ、古聖歌であるズナメニ聖歌やキエフ聖歌の旋律を生かした作品が作曲されています。

楽譜の紹介と配布

正教会聖歌が日本であまり歌われていいない要因のひとつに、楽譜が手に入りにくいということがあると思います。そこでこのサイトでは、曲の紹介とともに、手に入りやすい楽譜を紹介しています。
正教会聖歌の楽譜

更に、自由にダウンロードして利用いただける、独自の楽譜も少しずつ提供していきます。キリル文字で書かれた教会スラヴ語のテキストをどう読んでよいかわからない、ということも、合唱団での取り上げにくさにつながっていると思いますので、独自の楽譜では、ひらがな、カタカナの読み方ガイドつきの版を提供していきます(カナ付き楽譜の公開は2021年5月頃を予定)。→ 無料楽譜ダウンロード

Ym & Haru Studioについて

Webサイト運営と楽譜制作をおこなっている Ym & Haru Studio は、本サイトの管理人Ymと、主に楽譜制作にあたるHaruで構成されます。ふたりとも、音楽の専門家ではない一般の合唱人です。正教会の聖歌に出会って、その楽曲に魅了され、機会を捉えては演奏に取り組んできた経験はありますが、正教徒ではなく、また正教会についての研究者でもありません。このサイトでは、可能な限り正教会の言葉を用い、また正教会の事柄について触れる際はなるべく正確な説明をするように心がけていますが、本やインターネットで調べた限りのことであり、正教会の立場として厳密に正確な表現であることを保証するものではありませんので、ご承知おきください。正教会については、参考リンク集のページで、教会の公式サイトへのリンクや、書籍を紹介していますので、ご参照いただければと思います。