カトリックのラテン語聖歌と比べて、正教会聖歌が日本であまり歌われていいない要因のひとつに、楽譜が手に入りにくいということがあると思います。このページでは、比較的入手しやすい楽譜を紹介していきます。
恵雅堂出版「近代ロシア聖歌集」
折田真樹・林 正人 編
https://www.keigado.co.jp/allgoods/products/detail/43
出版譜ではおそらく日本で唯一の、ロシア正教会の聖歌だけを集めた曲集です。6人の作曲家による12作品が収録されています。また、20ページ以上の詳細な解説が掲載されていて、日本語で手に入る情報としても貴重な一冊です。まずはロシア正教会聖歌を概観してみたい方におすすめです。
Musica Russicaの出版譜
http://www.musicarussica.com/ (英語)
ロシアの合唱作品の楽譜、CD、書籍等を専門に取り扱っている、米国の出版社です。時代は中世から現代まで、ジャンルも聖歌だけでなく、かなり幅広く取り扱われています。
多くの楽譜がピースで販売されていて、価格は2ドル程度からです。版面のプレビューがあり、中身を確認してから購入できます。郵送だけでなく、ダウンロードで購入できる楽譜もあります。
歌詞には、RussicaTM Transliteration System というローマ字を使用した独自の表記が用いられています。よくあるローマ字だけの書き換えでは表現できない、ロシア語や教会スラヴ語の特徴的な発音も的確に表現された、たいへん優れたシステムです。また、発音ガイドのCDも販売されていて、これには “License to Copy” が含まれているので、歌い手の人数分のコピーが可能です。
単語検索の他、時代やジャンル、テーマ、編成など、様々な検索フィルターが用意されています。面白いものでは「正教会聖歌を歌ってみたいけれど、うちには低音が出るバスがいないから…」という合唱団のために、「No Low Bass」という検索項目もあります。
Sheet Music Pieces | Musica Russica
http://www.musicarussica.com/sheet_music_pieces
Orthodox Sacred Music Reference Library の無料配布
https://www.orthodoxchoral.org/en/home (英語)
https://www.orthodoxchoral.ru/ru/home (ロシア語)
米国 The Russian Choral Heritage Foundation が公開している、正教会聖歌のアーカイブプロジェクトのWebサイトです。無料会員登録すると、パブリックドメインの楽譜を、PDFでダウンロードすることができます。
作品番号も整備されており、なるべく原典に近い楽譜を配布するポリシーであることから、リファレンスとしても最適なWebサイトです。ただ、このサイトで配布されている楽譜には、アルト記号やテノール記号が使われているものもあって、演奏にそのまま使うのは難しいこともあります。
Ym & Haru Studio の楽譜
本サイトで配布している楽譜です。キリル文字のみで歌詞を記載した楽譜と、ひらがな/カタカナを用いた独自方式で読み方ガイドをつけた楽譜の、2種類を配布しています。詳しくは、「無料楽譜ダウンロード」ページをご覧ください。